2010年9月 デビュー戦 in 川崎(後半)

前半戦はコチラ

 

5分くらい歩いて世界の山ちゃんに着いた。

店内は混んでいる。でもちゃんと隔離された座敷へ通された。

1テーブル8名くらい、それが左と右に1つずつ。

俺は左側のテーブルで下座に座った。(「若いから」とか「気使った」訳ではない。

たまたま。)

俺のテーブルは8名みんな男だ。右のテーブルに4名くらい女子がいた。

冷静に考えると女子少ないなと・・・そして今考えれば可愛い子もいなかったな。

でも当時はそこまで感じなかった。“女子と絡む”こと自体が中学生ぶりくらいだから

女子と同じ空間にいるだけで少しうれしかった。

 

幹事が乾杯の声掛けをして会がはじまり、テーブル内で自己紹介がスタート。

自分がどんな自己紹介をしたか全く覚えていないし、他の人の自己紹介も

全く覚えていない。

印象的なエピソード…幹事の友だち(確か幹事の同僚)で我が家の坪倉似の男性が

みんなに話しをふっていた。年齢は当時38歳くらいで、見た目も悪い感じじゃないし

和気あいあいと時間が経過していった。

唯一引っかかったのは、幹事と共に仕事の愚痴、会社の愚痴をこぼしていたこと。

「俺は今の会社は大嫌いだけど、お金のために働いているんだ」と。

嫌いな上司や仕事内容など色々愚痴っていたな。

 

その時思った。「こうゆう会で自分の仕事の話を長々とするやつはモテない」と。

だって、同僚でもない人に、ましてや初対面の人に話してもわからないし。

この考え方は10年経過しても変わっていない。

 

そしてもう一人、オレンジのポロシャツで黒メガネの25歳くらいの男性。

その方は「出会いたい」と。お!正直じゃんって一瞬思ったが、そのあと

「あ、女の子と出会いたいわけじゃなくて」と付け足し。

確かにそういう人も中にはいるかもだけど、全然モテそうでもないしちょっと

無理があるなと。そして、「30歳からでもお金は貯まる」説を長々と色んな人に

話していた。俺も初めて参加したのでちゃんと話を聞いていたが、今だったら…。

 

自分から話しをすることはあまりしなかったが、過度な人見知りをすることなく

気がつけば1時間が経っていた。

 

各テーブル人が動き始め、少しづつ席が入れ替わっていく。そして一人の女子が

目の前へ。スレンダーで確か20代後半だった。ただ決してルックスが良いわけじゃ

ない。腐女子っぽい感じ。でも久しぶりの異性との会話には"それ”で十分だった。

 

川崎A子:「はじめまして。みんなで集合した時から思ってたんですけど、

     背高いですよね!」

   おれ   :「そうなんですよー。恐縮です。(お!ほんとに食いついたか。

      以前誰かに言われたとおりだ…。)

喪男まっさかりの時、「背高いのは絶対武器になるから勿体ない」と誰かに言われた

ことを思い出した。

川崎A子:「ジュノンに出てそう!彼女いるんですか?」

   おれ   :「そんなことないです。彼女いないですし。(さすがにジュノン

      ないだろ!恥ずかしいわ…)

お世辞かもしれないが、素直にうれしかった。その嬉しさは褒められたことよりも

「通用する」と思えたこと。半年間の準備期間、いやこれまでの藻男人生に少しばかり

希望が見えた瞬間だった。

 

そしてしっかりと異性の目を見て話せた。顔は少し赤かったかもしれないが、

酔いもあったので。いや、美人だったりタイプの子だったらまだ目は見れてないかも。

後の会話は全く覚えていない。そんなこんなで2時間があっという間に過ぎた。

 

一応幹事が締めの挨拶をして、会が終了。「2次会はカラオケ行きまーす!」

え?カラオケ?あー2次会まで考えていなかった。今考えれば何の違和感も無いが、

当時の俺には2次会を考える余裕は無かったのだ。

でも大半の参加者が行くとわかり、丁度いい酔いも後押しして行くことに。

 

「あー何歌おう。盛り上がる曲は正直歌えない。まあいいや、素直に自分の好きな

サザンを歌おう。」

サザンはよく家で一人で歌っていた。(友達も少ないしほぼ家にいたし。)

ほぼ毎日歌っていたので、ヘタでは無いことも自覚していた。

パリピっぽいやつもいないし、盛り上がる曲を歌わなければいけない空気でもない。

 

5曲目に自分が歌う番が回ってきたのだが、それまで盛り上がる曲やうまいやつも

いなかった。ひとまずホッとした。

選曲は「栞のテーマ」。「渋い!」「知ってる!」「サザン良いねー」。サザンだし

ベストアルバムに入っていることもあって知名度はそこそこ。

今までカラオケで歌うこともあまり無かったが、評価もそこそこ。

無事にやり過ごした。

 

カラオケも2時間で終了。女子とも少し話したが特に気に入った子とか、

下心が溢れる瞬間は残念ながら無かった。でも久しぶりというか初めての体験で

素直に楽しめた。

mixiのオフ会ということもあって、“マイミク”になって特に連絡先の交換はしなかった

かな。

そんなこんなで、藻男卒業のための第一歩を踏めた。

 

2010年9月 デビュー戦 in 川崎:収穫は…ゼロ

 

ここから出会いの世界にどっぷりハマっていくのである。